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おじいちゃんに聞いた 体制の変化と庶民の生活

体制の変化と庶民の生活:C家の主カレルさんの話をまとめました。ちょっと文章が長くなりますがお付き合いください。
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 カレルさんの父親は第2次世界大戦当時、ドイツのブッパタールという町に強制労働に行かされさせられそうになったので、回避するために国内の軍需工場で働いたそうです。そして60年後の今、孫のカレル(代々長男は父親と同じ名前)が、そのブッパタールに3ヶ月間の企業研修に行く。ナチスに殺されたチェコ国内のユダヤ系住民の数は17万人。ドイツから受けた迫害は大きいのですが、経済大国であり隣国でもあるドイツとの現在の国交は密接です。

共産党の力:
 チェコでは終戦後、ソビエト連邦の衛星国となり共産党が第一党になり、共産主義の道を歩み始めます。財産は共有化されてしまったが、C家には財産がなかったので持っていかれるものはなかったと笑います。共産主義時代は、共産党員でないと就職や生活全般で何かと差別があったそうです。
 何かを所有したり、社長への道は共産党員のみに許されていました。共産党の幹部の為の店があり安く何でも手に入りましたが、共産党に反対している父母を持つ子供は大学に入れない場合もあるなど差別がありました。共産党員になると月1回の集会に参加し給料の5%を党に献金しなくてはならかった。C家は共産党員ではなかったので、生活の為に、共産主義青年組合(SSM)やロシア映画を見る会などという、何らかの共産主義系組合に入っていたそうです。当時の認定証やバッチを見せてくれました。また学校ではピオニール(・音楽・工作、社会的活動(廃品回収)等のほかに国防教育も含まれた活動)に入って課外活動もしたそうです。
共産主義青年組合のバッチ。ソビエト連邦の星が付く。下は鉄道員20年勤務のメダル。
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共産主義時代の生活:
 生活物資は手に入るまでに時間がかかり、車も購入申請してから何年か待たなければならなかったそうです。他には例えば、みかんは1人2キロまでとか買物制限もあり、並んで買った。
 共産主義時代のよかった点は、皆で助け合っていたこと。働かなければ牢屋に入れられた。平等だったが、反面何かやろうというモチベーションがわかなかったと言います。。
共産主義崩壊:
 1989年11月17日が建国記念日。あちこちについていたソビエト連邦の星のマークははずされ、モルダウ川沿いにある大きなレーニンの像は撤去されました。一度共有化された財産は再び私有化されましたが、破格値で買い取るなどうまくやった共産党幹部などもいたといいます。 カレルは、鉄道員を辞め、自分で清掃事業を始めました。忙しくなりましたが、一生懸命働いて、事務所兼自宅を7年がかりで建てています。
 外資系の大型店がどんどん出店し、何でも手に入るようになりました。諸外国の企業進出も盛んで雇用を生み出していますが、一方、チェコの小さな企業は淘汰されていっています。
 チェコの人は物を本当に大事に使います。その気風と美しい自然を守りつつ、経済発展していって欲しいと願います。






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by chigmama | 2005-05-10 09:39 | 国・歴史
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